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僕らの絵日記~「タイムトンネルの向こうから」 [ゴールデンブログアワード]

⑫ 1994.9.7 「化石の谷 トンネルの出口へ!」 そんなわけで僕たちは、「アンモナイトが採れるかもしれない」という、オカンの大きな夢に付き合って、今この真暗なトンネルを歩いているのだ。・・・「不思議な1日」の続きより・・

「出口は近い」 10分いや、それ以上の気がした。歩いて歩いて・・真暗闇を、お互いの足音を頼りに歩いた。そしてようやく「もうちょっとや!」~うっすら向こうに明るみを感じた・・。「あ~やっと出口や。」 ホッとした途端、「さあアンモナイトや。」 薄暗がりの向こうに次の宝物のイメージがもう浮かび上がってきた。 全く現金なものである! 

「トンネルの外へ、そして憧れのアンモナイトは?」 ~やっと、出口へ・・トンネルを出た瞬間のまぶしい光! そこは目の眩む別世界だった。トンネルの向こうへ出たのだ!・・僕らしばらく目を覆っていた・・! 

~しかし、いくら探しても、アンモナイトは一つも見つけることはできなかった。 いやそこには二枚貝のかけらさえも入った石はなかった。 ・・それは『採集』にはよくある結果だけれど・・僕たちはむしろ、目の前に広がった光景に圧倒されたのだった。

「厳しい自然に阻まれて」 そこには荒涼とした光景が、威圧するような迫力で迫っていた。 砂防ダムが上流へ上流へと幾重にも建設されていて・・しかも、それを乗り越えんばかりの勢いで、角張った巨大な岩がダムを埋め尽くしていたのだ。・・季節が変われば、凄まじいほどの雪解け水が!、あるいは集中豪雨がこの谷に!~その巨岩を動かす猛々しい自然の姿を想像して、スゴスゴ退散した。 夢のアンモナイトは厳しい自然の奥深く、2億年の眠りについていたのだ。 我々が遊びに行く世界ではなかった。2億年のタイムトンネルをくぐることはできなかった。

・・しかしこの4ヵ月後想像を絶する出来事が!

⑬ 1995.1.17 「大震災の記憶」 関西の地を離れて5年。 故郷で起きた大地震のニュースに私達の心は凍りついた。・・広がり続ける大きな被害、ズタズタに引き裂かれた、懐かしい場所の映像が容易には信じられず、テレビ画面にくぎ付けになった。・・画面の中に身内の家を探し、 『これは現実なんだ。今、あそこで同時進行している現実だ。』と、画面を見ながら 何度も自分に言い聞かせた。~すぐ窓の外には輝く雪景色が広がっている。 その何とも例えようのない違和感! 画面は荒廃した街の映像を流しつづけ・・この二つの世界を何度も何度も見比べた。

⑭ 1995.1.28  「僕たちに何ができるか」!~ こうして呆然としている時、一本の電話がかかり・・「一体僕たちの何ができるだろう」と問いかけられたのです。 電話の主は、私達の共通の恩師。 活発になるボランティアも連日報じられていて、ここから動けない自分達をはがゆく思っていた時でした。  ~「ここで、何が、できるか?」~ その答えは、すぐには見つからず、やがて 「未来に向かってできることを探していこう。」と意識するようになったのです。


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